診療内容

診療方針・理念

エビデンスに加え個々の状況を考慮に入れたオーダーメイドの治療

当科が目指しているのは、「職人による手作りの仕事=治療」です。医学的証拠(エビデンス)に基づき治療方針を決めることは大切で、これを無視して治療はできません。しかしエビデンスに縛られすぎると、その患者さんにとって適した治療ができないことがあるのも事実です。当科では、患者さん一人ひとりの体力、病気の程度、社会的背景を十分に考慮し、オーダーメイドの治療をお届けします。
なお、エビデンスを熟知している証拠にはなりませんが、私は外科・呼吸器外科・胸部外科の専門医・指導医資格を有し、日本呼吸器外科学会では評議員も務めさせていただいております。また体力には自信があり、例年360日ほど出勤しておりますが、至って元気です。

対象疾患

  • 肺癌
  • 縦隔腫瘍
  • 気胸、膿胸
  • 胸部外傷 等
呼吸器外科が担当するのは、肺や気管・気管支等の呼吸器、胸腺や神経・胸管等の縦隔(左右の肺の間)臓器、そして肋骨や横隔膜等の胸郭です。そこに起こる病気、外傷が対象疾患です。特に苦手はなく、すべて診させていただいております。中でも肺癌は東北大学在籍時より、専門的に研究も行ってきたので、今後とも力を入れていきたいと考えています。

診療内容

技術と判断力で患者さんの病気と闘います

主たる診療である手術について述べさせていただきます。手術の際には胸腔鏡を積極的に利用し、キズを小さくするよう努力しています。これにより患者さんの体のダメージも減り、術後の早期離床が可能となり、回復も良く退院も早くできるようになりました。小さめとはいえ、キズもきれいに仕上げさせていただきます。手術の安全度も高いと自負しています。原発性肺癌についてご説明しますと、今まで私が手術をさせていただいた436名の患者さんのうち、術中死は0名、術後1ヶ月月以内の死亡である術死は1(0.23)、全手術関連死亡は術死も含め3(0.69)でした。さらに0%に近づける努力を続けたいと考えています。

診療実績

令和4年度の治療実績について

◎全身麻酔手術件数 55例
 

内訳

  • 原発性肺癌 26例
  • 転移性肺癌 4例
  • 縦隔腫瘍 3例
  • 気胸 18例
  • 膿胸 4例
このうち胸腔鏡単独もしくは胸腔鏡補助下小開胸で行った症例は52例でした。小さな創で手術を行う事により、肺葉切除の患者さんでも術後7日、肺部分切除の患者さんでは術後4日に退院していただけました。

手術を受けられる方へ

NCD事業への参加

当院は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。
この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。
この法人における事業を通じて、患者さまにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当院が患者さまに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

NCDに登録する情報の内容

当院で行われた手術と治療に関する情報、手術や治療の効果やリスクを検証するための情報(年齢や身長、体重など)を登録します。NCDに患者さまのお名前を登録することはなく、氏名とは関係のないIDを用いて登録します。IDと患者さまを結びつける対応表は当院で厳重に管理し、NCDには提供しません。

登録する情報の管理・結果の公表

登録する情報は、それ自体で患者さま個⼈を容易に特定することはできないものですが、患者さまに関わる重要な情報ですので厳重に管理いたします。
当院及びNCDでは登録する情報の管理にあたって、情報の取り扱いや安全管理に関する法令や取り決め(「個人情報保護法」、「疫学研究の倫理指針」、「臨床研究の倫理指針」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を遵守しています。
データの公表にあたっては、NCDが承認した情報のみが集計データとして公表されます。登録するデータがどなたのものであるか特定されることはありません。

登録の拒否や登録情報の確認

データを登録されたくない場合は、登録を拒否して頂くことができます。当院のスタッフにお伝えください。
また、登録されたご自身のデータの閲覧や削除を希望される場合も、当院のスタッフにお知らせください。なお、登録を拒否されたり、閲覧・修正を希望されたりすることで、日常の診療等において患者さまが不利益を被ることは一切ございません。

NCD(一般財団法人National Clinical Database)について[PDF:147.6KB]