認知症について
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認知症について
“人生100年時代”において避けては通れない認知症。すべての人が発症する可能性の高い病気だからこそ正しく理解しておくことが大切です。自分のために、家族のために知識を深めましょう。
脳神経内科部長で日本認知症学会専門医の小西医師に詳しいお話を伺います。
日本認知症学会専門医、日本認知症予防学会認知症予防専門医
小西 高志 医師
趣味はラグビー。学生時代から魅せられた競技に、現在はドクターとして医療面からサポート、マッチドクターとして試合に携わることも。物腰が柔らかい雰囲気と優しい話し方が魅力的。誠実な人柄で患者さんのご家族からの信頼も厚い小西先生。2003年より当院着任、2018年4月より脳神経内科部長として神経疾患全般の治療にあたる。教えてドクターQ&A
認知症とは?
脳の病気やケガによって、「認知機能※」が衰えて、その方本来の生活を送るのに支障が出て来たり、周囲からの手助けが必要になったりした状態を認知症と呼びます。正常と認知症の間の状態を軽度認知障害(Maild Cognitive Impairment;MCI)と呼びます。
認知機能が低下する原因はさまざまなものが知られており、治療は原因に応じて行われます。軽度認知障害までの段階であれば適切な治療により認知機能が正常な状態に回復することはあります。しかし認知機能低下が認知症の状態に進行してしまってからでは、そこから認知機能低下を改善したり、認知機能低下の進行を止めたりするような、有効な治療法はほとんどありません。このため、認知機能の低下が疑われたらなるべく早く診療を開始することが大切です。
認知機能が低下する原因はさまざまなものが知られており、治療は原因に応じて行われます。軽度認知障害までの段階であれば適切な治療により認知機能が正常な状態に回復することはあります。しかし認知機能低下が認知症の状態に進行してしまってからでは、そこから認知機能低下を改善したり、認知機能低下の進行を止めたりするような、有効な治療法はほとんどありません。このため、認知機能の低下が疑われたらなるべく早く診療を開始することが大切です。
認知症は持つ人はどれくらいいますか?
認知症は40代くらいから増えていきますが、全体では65歳以上の高齢者に多いです。2010年の厚生労働省の推計では認知症の状態にある人の割合は65歳以上の方の15%、軽度認知障害の状態にある人の割合は65歳以上の方の13%と報告されていました。つまり28%の方が認知機能低下とともに暮らしているということです。
さらに2014年の推計によると、2020年時点で認知症の状態にある人の割合は65歳以上の方の16.7%(6人に一人の割合。総数は約602万人。)と増加傾向でした(「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業、九州大学 二宮教授)。
社会全体の高齢化とともに軽度認知障害や認知症の状態の方はこれからも増えていくと推測されています。長生きの時代にあって、認知機能低下は身近で避けては通れないテーマと言えます。健康寿命延伸のためには、認知機能低下の予防や治療、そして認知機能低下があっても自分らしく生きていける対策がとても大切です。
さらに2014年の推計によると、2020年時点で認知症の状態にある人の割合は65歳以上の方の16.7%(6人に一人の割合。総数は約602万人。)と増加傾向でした(「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業、九州大学 二宮教授)。
社会全体の高齢化とともに軽度認知障害や認知症の状態の方はこれからも増えていくと推測されています。長生きの時代にあって、認知機能低下は身近で避けては通れないテーマと言えます。健康寿命延伸のためには、認知機能低下の予防や治療、そして認知機能低下があっても自分らしく生きていける対策がとても大切です。
どのような症状がありますか?
自覚される症状…仕事上のミスが増える、作業の要領が悪くなる、頭が悪くなった感じがする、自分には見えている人や生き物が周りの人には見えていないらしい、など。
周囲の人が気づく症状…約束をすっぽかす、冷蔵庫の食材管理が出来なくなる、日課や趣味を面倒くさがり何もしないで過ごしている、世間の話題に無関心、同じことを何度も聞いてくる、探し物が増える、すぐ見つけられそうなところのものを見つけられない、お金の管理が出来ない、自動車運転が下手になる、身ぎれいだった人がだらしなくなる、些細なことで激昂する、内服を指示通りしない、大切にしている物を人に盗られたと訴える、実在しない人や生き物が存在するように行動している、不安そうで近しい人にやたらと頼る、など。
周囲の人が気づく症状…約束をすっぽかす、冷蔵庫の食材管理が出来なくなる、日課や趣味を面倒くさがり何もしないで過ごしている、世間の話題に無関心、同じことを何度も聞いてくる、探し物が増える、すぐ見つけられそうなところのものを見つけられない、お金の管理が出来ない、自動車運転が下手になる、身ぎれいだった人がだらしなくなる、些細なことで激昂する、内服を指示通りしない、大切にしている物を人に盗られたと訴える、実在しない人や生き物が存在するように行動している、不安そうで近しい人にやたらと頼る、など。
受診方法についてお伝えいたします
長く付き合いのあるかかりつけ医があれば、まずそこで気になる症状を伝えて相談してみましょう。
認知機能低下は脳の症状ですが、必ずしも脳に原因があるわけではなく、持病の悪化や治療薬の影響、便秘や痛み、脱水や発熱などが原因で認知症に似た状態となることもあります。抑うつなど精神科領域の病態が原因のこともあります。かかりつけ医が必要と判断した場合は、認知症専門医へ紹介となります。
わたくしたち脳神経内科でも診療所からのご紹介を受け付けております。特に初診時には長い診察時間を要することがありますので、診察予約を取って来院されることをお勧めします。かかりつけ医の無い場合は診察申し込みが必要ですので当院1号館1階『初診受付』で手続きをお願いします。
静岡赤十字病院 脳神経内科の外来はどのような体制になっていますか?
当科の初診外来担当医は曜日ごとの交代制になっています。どの外来担当医も認知機能低下についての十分な診療が可能ですので。安心して受診してください。
認知機能低下は脳の症状ですが、必ずしも脳に原因があるわけではなく、持病の悪化や治療薬の影響、便秘や痛み、脱水や発熱などが原因で認知症に似た状態となることもあります。抑うつなど精神科領域の病態が原因のこともあります。かかりつけ医が必要と判断した場合は、認知症専門医へ紹介となります。
わたくしたち脳神経内科でも診療所からのご紹介を受け付けております。特に初診時には長い診察時間を要することがありますので、診察予約を取って来院されることをお勧めします。かかりつけ医の無い場合は診察申し込みが必要ですので当院1号館1階『初診受付』で手続きをお願いします。
静岡赤十字病院 脳神経内科の外来はどのような体制になっていますか?
当科の初診外来担当医は曜日ごとの交代制になっています。どの外来担当医も認知機能低下についての十分な診療が可能ですので。安心して受診してください。
認知症専門医からひと言
とても元気な段階で小さな症状を見逃さずに初診され、軽度認知障害の状態から元気に回復する方や、認知症の状態となっても落ち着いた経過をたどる方がいらっしゃいます。しかし認知機能低下が進んでしまってからの初診となる方が多いのが現状です。気になる症状があったけれどもどこへ相談したらよいか分からなかったとか、認知機能の低下なんて恥ずかしい、認めたくない、なんだか怖い、といった理由で受診が遅れてしまってはいけません。気になる症状は放置せず、受診しましょう。