しずおか日赤メールマガジンMailmagazine blog

第174号 令和2年02月01日発行

2020年2月1日

今年の冬は例年に比べて暖かい日が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
2月3日は節分です。最近では、恵方巻きを食べる習慣が定着してきた一方で、売れ残りの大量廃棄による食品ロスが問題になっています。宴会などの機会においては、環境省が、乾杯後30分間は席を立たずに料理を楽しみ、お開き10分前にも自分の席に戻り再度料理を楽しんで食べ残しを減らす「3010運動」を奨励しています。まだ食べられる料理を捨てるなんて「もったいない」。日頃から「もったいない」を心掛けていきたいなと思います。
それでは、メールマガジン第174号をお届けします。引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

自分のために、家族のために 認知症に強くなろう(2)

脳神経内科 部長 小西 高志 医師

同じ「認知症」でも病型により特徴や進み方は様々

「認知症」とは、脳に起こる病気やけがなどによって認知機能が低下して、日常生活に支障を生じている状態を指します。認知機能というのは、状況を判断して適切に行動するために必要な、記憶、実行機能、言語・計算などの脳の働きのことです。
認知症となる原因はアルツハイマー病や脳血管障害など様々です。原因によって衰える認知機能に特徴があるため、「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」などと分類され、それぞれ病状経過も対処法も大きく異なります(図1)。
多くの認知症には根本的な治療法がないのですが、中には治療によって認知機能が回復する認知症もあります。例えば発症の原因が、電解質異常やホルモンの異常、てんかんに伴うものなどである場合は、適切な治療によって健康な状態に回復できることがあります。正しく診断してもらうことは、治療可能な認知症を見逃さないためにもとても大事なのです。

安全な生活を送るために正しい対処と治療法を

根本的な治療法のない認知症でも、安全な日常生活を続けていくために行うべき対処法や治療法はたくさんあります。まず最も大事なのは、周囲が患者との接し方を工夫したり、生活環境を整えること。これは医療機関や地域包括支援センターなどが相談を受け付けています。
また例えば「アルツハイマー型認知症」では、記憶障害・意欲低下などを改善し、就労継続やリハビリ効果の向上に役立つ薬物が複数ありますし、一部では病気の進行自体を遅らせる効果も報告されています(使用する薬物は、病状や副作用の出方に応じて適切なものが選択されます)。「脳血管性認知症」では、脳梗塞や脳出血の再発予防が大切。当院では静岡市の脳卒中ネットワークを推進し、かかりつけ医と連携しながら診療を行っています。そのほか「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」といった脳神経内科疾患に限らず、脳神経外科、内科系の各専門科、精神科などとも連携しながら診療を行っています。
認知症の割合は加齢とともに増えていき(図2)、やがて認知症を持つ方の方が多数派になりますから、認知症になっても安心して人生を全うできる社会を作ることはとても大切。そのため健康なうちから認知症をご自身に関係のあるものとして関心を寄せていただき、正しい知識を持っていただくことが重要と考えています。

外来患者アンケートの集計結果のご報告

いっそう信頼される病院を目指します!

外来患者アンケートの集計結果のご報告

このたび当院では、医療サービスの向上を目的とし、外来患者さんを対象にアンケート調査を実施いたしました。多くの皆様のご協力を得て、貴重なご意見・ご要望を頂くことができました。誠にありがとうございます。簡単ではございますが、ここにアンケートの集計結果の一部をご報告いたします。
またこのほか、自由記載欄ではあたたかいお言葉をたくさんいただき、とても励みになりました。さまざまなご指摘・ご意見は真摯に受け止め、改善に向けて努力してまいります。
今後も患者の皆さまから信頼される病院、社会に貢献できる病院を目指してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

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