しずおか日赤メールマガジンMailmagazine blog

第169号 令和元年09月01日発行

2019年9月1日

初秋の季節とはいえ暑い日が続いておりますが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、今年も今月21日(土)から22日(日)にかけて静岡県立大学芝生園地にて開催されるリレー・フォー・ライフ・ジャパン2019静岡に「静岡赤十字病院チーム」として当院職員も参加及びブース出展させていただきます。
リレー・フォー・ライフ(命のリレー)はがん患者さんやその家族、支援者らが公園やグラウンドを会場に、24時間夜通しで交代しながら歩き、がん征圧への願いと共に絆を深め合う寄付イベントです。今年はここ静岡をはじめ全国約50か所で開催されます。
「がんに負けない社会」の実現に向けた一歩となることを願っています。
それではメールマガジン第169号をお届けします。

狭心症、心筋梗塞から命を救う 「虚血性心疾患」の治療(2)

循環器内科 部長 小山田 和弘 医師

生命予後に大きく関わる「虚血性心疾患」という病

虚血性心疾患とは、心臓に酸素や栄養を送る血管(冠動脈)の動脈硬化が進んで血液の流れが悪くなり、心臓に必要な酸素の需給バランスが崩れることで、心筋の一部が酸素不足になる病気の総称です。生命予後にかかわる重大な病気で、タイプとしては慢性冠動脈疾患である労作性狭心症と、急性冠症候群とに分けられます(図1)。
労作性狭心症は、長時間歩行や階段昇降など、体を動かした後に狭心症の症状が出現するもの。血管内膜に沈着したアテロームによる動脈硬化が起きている状態ですが、この段階では症状は比較的安定しています。
図1)※「攣縮性狭心症」は「慢性冠動脈疾患」に含まれますが、これは動脈硬化が関与しない特殊なタイプになります。
一方危険度が高いのは急性冠症候群。動脈硬化に加えて血管内に血栓が生じている状態で、血栓により冠動脈が突然詰まる「急性心筋梗塞」と、その前段階として数日から数週間のうちに心筋梗塞に進展する危険のある「不安定狭心症」が含まれます。

低侵襲に進化した新しいカテーテル治療に注目

虚血性心疾患の治療方法には大きく分けて、①薬物治療および生活習慣改善、②経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、③冠動脈バイパス手術(CABG)の3つがあります。まずは治療の基本として、適切な薬物投与とともに禁煙や食事療法、運動療法などを行い、その上で各患者さんの症状に合わせて、冠動脈の血流を回復するための治療としてPCIやCABGを選択します。
私の専門でもあるPCIは、鼠蹊部や腕などの血管からカテーテルを差し込み、冠動脈の狭くなった部分を治療する方法(図2)で、体に大きな傷をつけることなく、局所麻酔によって治療を行えるのがメリットです。カテーテルの先端につけたバルーンを内側から膨らませて血管を押し広げ、最後にステントという網目状の金属管を血管の中で広げ留置して仕上げる方法が一般的です。
従来PCIは鼠径部からカテーテルを進めることが多かったのですが、患者さんの負担を軽減させるために提唱されたのが、手首からカテーテルを進める方法。日本では1995年に湘南鎌倉総合病院の齋藤滋先生が始めた方法です。私は2000年に同先生に師事、前任の病院ではPCIの立ち上げを行なっています。さらに最近では、より低侵襲な方法として親指近くの動脈からカテーテルを進める方法(図3)を採用することも。当院においても、これまで培った経験と技術を活かし、質の高い診療を目指したいと考えています。
図2)
図3)

多くの高校生が当院を訪問!~ボランティア&1日ナース体験~

夏休み期間を利用し、33名の高校生ボランティア(活動期間前半:7/29~8/2 21名 後半:8/5~8/9 12名)及び静岡県看護協会主催の「高校生1日ナース体験」(8/2(金)・8日(木))に応募した約60名の高校生が当院を訪れ、活動及び体験を行いました。もちろん活動内容はそれぞれ異なりますが、「患者さんのために」という想いは同じ。当院スタッフと共に、医療現場で活動していただきました。
当院での体験が、医療職への関心を深めるきっかけや、将来の職業選択の一助になれたらと思います。
高校生ボランティア
1日ナース体験

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