治験管理室

治験とは
新しい薬は、国(厚生労働省)から薬の使用についての承認を得る必要があります。そのため、薬の効果と安全性を確かめる試験を適切な基準(GCP※)に従って行います。この試験を「治験」といいます。治験に用いられる薬が「治験薬(ちけんやく)」です。治験で得られた結果をもとに国から承認されると初めて、医薬品として同じ症状で苦しむ多くの患者さんに使えるようになります。

※GCP:Good Clinical Practice(医薬品の臨床試験に関する基準)

治験コーディネーター(CRC※)とは

「治験コーディネーター(CRC)」とは治験をスムーズに行うためのスタッフです。
患者さんの人権と安全を守り、治験の科学性と信頼性を確保する役割があります。当院では、治験コーディネーター3名(薬剤師2名、臨床検査技師1名)が医師の指示のもとで、主に以下のような業務を行っています。
  • 治験に参加していただく患者さんへの治験の説明補助(医師と共にご説明します)
  • 患者さんの治験に関する質問にお答えします。
  • 患者さんの体調の変化や副作用の確認をします。ささいなことでもお知らせください。
  • 治験のスケジュール管理(来院日や検査の予定・内容をお知らせします)
  • 治験に関わるチーム内(担当医師、薬剤部、検査部など)の調整
  • 治験依頼者(製薬企業)との連絡・調整
  • 症例報告書の作成補助

※CRC: Clinical Research Coordinator

実施中の治験・臨床研究 2024年2月1日現在

治験または
臨床研究
診療科 対象疾患
治験 脳神経内科

片頭痛[PDF:495.1KB]

治験 脳神経内科

反復性片頭痛[PDF:333KB]

治験 耳鼻咽喉科 副鼻腔炎
治験 血管外科 間欠性跛行
治験 小児科 ワクチン
治験 整形外科 大腿骨近位部骨折
臨床研究 外科 化学療法(乳がん)
臨床研究 耳鼻咽喉科

耳鳴り[PDF:378.7KB]

臨床研究 整形外科

「GS-Taper ステム」における固定性に関する調査[PDF:159.7KB]

臨床研究 薬剤部

腸内細菌科細菌菌血症においてESBL産生菌が関与する因子,予後,抗菌薬コスト及び抗菌薬感受性を評価する後方視的観察研究[PDF:447.9KB]

※治験には参加いただくための基準があり、参加を希望されても参加できない場合もあります。また、治験参加募集期間内であっても、参加予定患者数に達した場合には治験に参加いただけないことがあります。あらかじめご了承ください。

ご相談窓口

治験に関する疑問点や不安な点などがありましたら、どうぞご相談ください。

静岡赤十字病院 治験管理室 E-mail:chiken-srhpp@shizuoka-med.jrc.or.jp
TEL:054-254-4311 
※お電話での受付時間は、平日8:30~17:00です。

新しい薬ができるまで

研究室で見つけられた新しい「薬の候補」は、まず、数種の動物で効果があるかどうか(有効性)、好ましくない作用がないかどうか(安全性)などが調べられます。動物において安全性や有効性が確認されたら、次にヒト(健康な人や患者さん)で安全性や有効性を確かめるための試験(治験)を行います。新しい薬が承認されるまでに実施される治験の流れを次に示します。

【新しい医薬品が承認されるまでの治験の流れ】

治験段階 対象者 目的
第Ⅰ相試験
↓
第Ⅱ相試験
↓
第Ⅲ相試験
健常者 薬の安全性と薬の吸収や代謝・排泄のされ方を明らかにする試験
患者さん 効果的で安全な薬の使用量と使用方法を決定するための試験
患者さん 薬の効果と安全性の確認のための比較試験
↓
厚生労働省の承認(医薬品としての製造や輸入を承認する)
国(厚生労働省)から承認されるまでに、10数年かかります。
薬が国から承認された後も、製造販売後調査などにより、安全性や有効性の確認が続けられています。